原子力発電所は仮に事故を起こさなくても、その使用済み核燃料核のゴミの毒性が10万年、100万年と続きます。
すでに日本でつくったその量は広島型原爆がばらまいた毒物の120万発分にのぼります。これを未来の世代は押し付けられることになります。
もちろん、無毒化の研究はこれからも続けなければいけませんが、すでに70年も研究し続けていても、その壁は猛烈に厚くて高い。これが科学の現状ですから、まずは毒物を生み出す行為を一刻も早くやめることが先だと思います。
また
原子力発電所は核兵器に転用できるプルトニウムを生み出します。
いま日本にそのプルトニウムが45トンあり、長崎型原爆を4000発つくることが可能です。政府は核兵器であろうと、通常兵器であろうと、自衛の範囲であれば憲法に抵触しないというのが方針です。私は核兵器を持つことは戦力不保持などを定める憲法9条に抵触すると考えています。
さらに私が原子力に反対する根本の理由に差別をなくしたいという思いがあります。
原子力発電所はその危険性から都会ではなく、過疎地に押し付けられた、また原子力では社会の底辺で苦しむ多くの労働者が働いています。こうした不公平・不公正を少しでも改善したいと思います。
(続きます)
(京都大学原子炉実験所勤務・小出裕章助教・・全国革新懇N 343号から抜粋)
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